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【レビュー】鑑定士と顔のない依頼人

ネタバレ注意!

この映画評は私自身の鑑賞メモという扱いで、基本的に本編の内容に触れる事が多いものです。
作品をご覧になっていない方は鑑賞後に読んで頂く事をオススメ致します。
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【注意】ネタバレあり

予告編を観ずに観てきました。
「驚愕のラスト!」みたいなシックスセンス的な煽りも何も知らずに観ていたので、ラストの展開に素直に驚いてしまいました。
2回目を観ると見方が全く変わると言われ、映画館でリピーター割引もされるほどでしたが、これは納得でしたね。

「贋作を作る作家は模倣の作品の中にも自分の”印”を入れる」

一流の鑑定士でも”人間の真贋”を見抜く事はできなかった。
まして彼がようやく出会った「The Best Offer(最高の一品)」に自分の人生の全てを奪われてしまうという悲劇。

最後のカフェのシーンで「連れを待っている」の一言がなんとも涙を誘う哀しい結末ですが、
彼が本当に求めていたのは価値のある美しい女性の肖像画の数々ではなく、一人の女性だったのだと思うと
何でもいいからクレアに戻ってきて欲しいと下手な期待を持ってしまう、というか自分が同じ状況だったら同じように彼女を待っていたかも。
そうするしか生きる道(希望)を選べないんじゃないかと思ってしまうとその哀しみも深いものとなります。

結局の主犯は誰で(たぶんビリーだと思いますが)、どんな手口で、クレアがどんな風に関わってどんな気持ちだったかといった種明かしをする所までは描いていない、という所がこの作品の良い所かと思いますが、人によってはスッキリしない所なのかなとも思います。

まだ一回しか観ていませんが、2回目を観た後はまた違った感想になると思います。
公開しているうちに何とかもう一回観てこようと思います。

『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュを始め主要キャストの好演と、作中に出てくる美術品や建造物の細かい造形、そして何より緻密な計算を重ねた脚本が素晴らしい一作。
これは観て良かったと思えます。